リフォームの自由度を高めた、先の先を見た家のつくり方
木造スケルトン・インフィルというのは、家の建て方の仕組みの事です。
若い人達が家を建てた場合、10年後、20年後は家族構成もライフスタイルも変化します。そんなときに比較的安価にリフォームする事ができるようにする為にはどうすればよいだろうか?
という事を考えてたどり着いた一つの方法です。
通常のリフォームで一番コストを高くする要因になるのは、柱と部屋を区切る間仕切りです。
筋かいの入った間仕切の場合、それを撤去してしまったら、梁の補強や基礎の変更などに膨大なコストを要するからです。
逆に言えば、柱と間仕切りをとっぱらってしまったらよい、という視点から、家をマッチ箱のように内側だけ入れ替える事ができるような構造にしました。
そう する事で維持改修が従来より容易にできる建物ができたのです。
これは、極端に言うと、一階にあるリビングを、リフォームで二階にも持っていける構造で造るものになります。内部空間を変更可能にする事で、リフォームをする際に、比較的ローコストでできるようになります。
ローコストでリフォームできれば、家も長く使い続けられます。欧米の住宅は普通に100年持つのに、日本の住宅は平均で25~30年。 木造スケルトン・インフィルのようなフレキシブルに変化できる住まいであれば、維持改修が容易に重ねていけますし、従来の使い捨てにも似た日本の住宅事情を少しでも変えていけるのではないでしょうか。
このように考えるようになったきっかけは、宮城県高齢者総合相談センターの住宅改造専門相談員を勤めていた時のことです。そこは、65歳以上の高齢者が住宅の悩み事を無料で相談できる場所でした。
相談内容は、ほぼ似通ったものでした。
「子供は独立し、夫婦あるいは一人住まいでは、今の家では使わない部屋が多すぎる」「寝室を二階から一階にしたい」等。
そこで問題になるのは、柱等、構造的な問題から、今のライフスタイルに合わせて大幅にライフスタイルに合わせて間取りを変更するとかなり高額な金額がかかってしまう事です。やっと老後の楽しみを享受できる時になって、そんなに高額な貯金を取り崩したくないですよね。
そんな事があって、従来の構造での建築ではない、リフォームをもっとしやすい構造で家を建てることができないかと強く考えるようになりました。
外壁だけで、マッチ箱のような家の耐震性は大丈夫?それは当然の疑問です。宮城県には、宮城県沖地震が起きる可能性が高い確率で存在しています。
動的耐震診断システムによる耐震診断を行った結果、東西南北全ての箇所で1000gal程度の地震が発生しても「安全性高」を示すという結果を得ました。一般に400gal以上の地震は震度階級では震度7と示されており、阪神淡路大震災の地震規模は、マグニチュード7.2、加速度は818galを記録しています。
震度階級と加速度は、地震の継続時間等の条件によって必ずしも一致しない場合もありますが、耐震性は高いと判断されました。
リフォームをしやすい家を目指していたのが、結果的に地震にも強い家になりました。
当事務所では、特に木造スケルトン・インフィルでの建築だけを強く推奨している訳ではございませんが、あなたの家を建てる際、一つの選択肢としてご提案できれば幸いです。
上記は木造スケルトン・インフィルの概要になりますので、更に詳細な情報をご希望の方は、お気軽にご連絡下さい。