北海道倶知安町に建つセカンドハウスの計画です。
倶知安町のニセコひらふ地区は日本一の国際スキーリゾートとして外国人集客の核となっており、2019 年外国人宿泊人数は、倶知安町とニセコ町と合わせて27 万8000 人に及んでいます。この背景を踏まえ、香港在住で外国人事業家の建て主さんは、セカンドハウスの設計を希望されました。
計画地から南東方向には日本百名山のひとつである羊蹄山が見えます。そこで、北海道を代表するこの名山を主要な部屋から望める平面計画としました。
また、多雪地域であるため、垂直積雪量230 ㎝に対応した許容応力度計算による木造軸組工法の構造計算を行っています。
リビングダイニング・主寝室・書斎・ふたつのゲストルームといった主要室を雁行配置させることで、それぞれの部屋からの羊蹄山の眺望を実現しています。また、外壁用スレートと窯業系サイディングに塗装吹付を行い、外部仕上げ材の質感の違いで建物のボリュームを分けています。
軒の無い箱型になっているのは、屋根の積雪対策にスノーダクト方式(屋根に積もった雪が融けた際の水を排水する溝を設置)を採用しているためです。M 字の屋根の中央に溝(樋)を設け、雪解け水を集めて排水します。北国特有の無落雪屋根の代表的な形式としています。
暖房対策を重視し冬の熱損失を抑えた小さな窓面積とし、セキュリティ対策も兼ねた北国特有の設計となっています。
全体として、床や木質アクセント壁・腰壁はミディアム色、他の壁は白色と、飽きがこない落ち着きのある空間にまとめています。LDKの天井は、広さに合わせて折り上げ天井にすることで、空間の余裕を楽しめる安らぎのデザインとしています。
また、白い壁を背景に絵画を展示できるように、玄関ホール、LDK、主寝室の天井にピクチャーレールを設置しています。
滞在中の生活は2階で完結できるように計画し、LDKは来客が多人数になっても対応できるように仕切り壁を設けず、34 帖の大空間にしました。1階は、ゲストルームとゲスト専用の水廻り、メイドルーム、インナーガレージとしています。
滞在中ゆっくりとくつろぎながら、ゲストに対して十分な「おもてなし」ができる間取りとデザインを計画しました。
所在地 | 北海道倶知安町 |
構造・規模 | 木造2階建 255.05㎡ |
施工 | コストオン一括発注(モトダ建設工業株式会社) |